米国プロピックルボールリーグ「MLP」のプレーオフ・ダラス大会で、1回戦の組み合わせが決定しました。
上位チームが対戦相手を選ぶ独特の方式に加え、同じ相手と最大3試合を戦うシリーズ制を採用。
短期決戦だからこそ生まれる駆け引きやチーム戦術にも注目です。
MLPプレーオフ1回戦は上位チームが対戦相手を選択
今回のMLPプレーオフでまず注目したいのが、1回戦の対戦相手を上位シードのチームが選べるという仕組みです。
レギュラーシーズン終了後、シード5位から8位のチームが、9位から12位の中から戦いたい相手を選択しました。
シード(※レギュラーシーズンの成績などをもとに決められる順位)が高いチームから順番に選べるため、単純なトーナメント表とはひと味違います。
ここで重要なのは、「順位が一番低いチームを選べばいい」とは限らないことです。
例えば、自分たちが得意とするプレースタイルと相性がいいチーム、苦手な選手が少ないチーム、過去の対戦で手応えがあったチームなど、さまざまな条件を考えて相手を選ぶことになります。
つまり、プレーオフは試合開始前から戦略戦です。
しかも、自分たちで選んだ相手に負ければ、「その相手を選んだ判断」まで注目されます。
選ぶ側にもかなりプレッシャーがかかる、MLPらしい面白い仕組みです。
1回戦を突破したチームは、ニューポートビーチで行われる準々決勝へ進みます。
8月7日は3カードの第1戦からスタート
プレーオフ初日の8月7日は、3つのシリーズが第1戦を迎えます。
対戦カードは、
- シカゴ・スライス vs パームビーチ・ロイヤルズ
- アトランタ・バウンサーズ vs テキサス・ランチャーズ
- ラスベガス・ナイト・アウルズ vs ダラス・フラッシュ
です。
シリーズ制では第1戦を取るかどうかがかなり重要です。
第1戦に勝てば、第2戦で勝利するだけでシリーズ突破を決められます。
一方、第1戦を落としたチームは、第2戦で負ければその時点で敗退。いきなり「あとがない」状況になります。
そのため、初戦では各チームがどんなペアを組み、どの選手を中心にゲームを作るのかに注目です。
MLPは男女混合のチーム戦で、男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスなど複数のゲームを通じてチーム全体の勝敗を決めます。
例えば、男子ダブルスが強いチームでも、女子ダブルスや混合ダブルスで差をつけられれば苦しい展開になります。
「エース選手がいるから絶対に勝てる」という単純な競技ではなく、チーム4人の総合力が問われるところがMLPの魅力です。
8月8日は第2戦と新たなシリーズが登場
8月8日は、プレーオフの流れが一気に動き始める日です。
予定されているのは、
- シカゴ・スライス vs パームビーチ・ロイヤルズ 第2戦
- ラスベガス・ナイト・アウルズ vs ダラス・フラッシュ 第2戦
- SoCalハード・エイツ vs ブルックリン・ピックルボール・チーム 第1戦
です。
ここで注目したいのが、第1戦から第2戦までの「修正」です。
同じ相手と再び戦うため、第1戦でうまくいかなかった戦術をそのまま続ける必要はありません。
例えば、
- 相手のフォア側への攻撃が効かなかった
- 特定のペアが狙われていた
- リターン後に前へ出るタイミングが遅かった
- ネット前のラリーで押し込まれていた
といった課題が見えれば、第2戦では狙う場所やペアリングを変えることができます。
シリーズ戦では、この「対応力」がかなり重要です。
シカゴとパームビーチが第1戦、第2戦を1勝1敗で分けた場合は、第3戦も実施されます。
第1戦で負けたチームが戦術を修正して第2戦を取り返し、その勢いで第3戦まで勝つ。そんな逆転劇が生まれる可能性もあります。
8月9日は準々決勝進出チームが決まる重要日
最終日の8月9日は、各シリーズの勝敗が決まる大事な日です。
予定されている主なカードは、
- アトランタ・バウンサーズ vs テキサス・ランチャーズ 第2戦
- SoCalハード・エイツ vs ブルックリン・ピックルボール・チーム 第2戦
です。
さらに、ラスベガス・ナイト・アウルズとダラス・フラッシュを含め、第1戦と第2戦を1勝1敗で終えたシリーズでは第3戦が行われます。
第3戦は、まさに勝った方が次へ進む最終決戦です。
こうした短期決戦では、技術だけでなくメンタルの強さもかなり重要になります。
例えば、序盤にミスが続いても焦らず立て直せるか、相手に先にゲームを取られても戦術を崩さず続けられるか。
プレッシャーの大きい場面ほど、普段の実力を出せるチームと出せないチームの差が出やすくなります。
また、連日の試合となるため、疲労への対応もポイントです。
腕や脚に疲れが残る中でもショットの精度を保ち、パートナーと声を掛け合いながら戦えるか。
技術・戦術・体力・精神力を全部まとめて試されるのがプレーオフ最終日の面白さです。
知っておきたいプレーオフの試合ルール
MLPプレーオフを初めて見る人は、まずシリーズ戦の仕組みを押さえておくと分かりやすいです。
基本的には、同じ2チームが最大3試合を戦い、先に2勝したチームがシリーズを突破します。
つまり、
- 第1戦を行う
- 第2戦を行う
- 1勝1敗なら第3戦を行う
という流れです。
第1戦と第2戦を同じチームが連勝すれば、そこで決着となるため、第3戦はありません。
また、1つのマッチの中でどちらかのチームが3ゲームを先取して3勝0敗となった場合、4ゲーム目は実施されません。
すでにマッチ全体の勝敗が決まっているからです。
各シリーズの第1戦と第2戦では、シード順位の高いチームがHOME(ホーム)扱いになります。
一方、第3戦までもつれた場合は、コイントスによってHOMEチームを決めます。
主なポイントをまとめると、
- シリーズは最大3試合
- 先に2勝すればシリーズ突破
- 2連勝なら第3戦はなし
- 1勝1敗なら第3戦を実施
- 1つのマッチで3勝0敗なら4ゲーム目はなし
- 第3戦のHOMEはコイントスで決定
となります。
この仕組みを知っておくだけでも、「今の試合に勝てば突破なのか」「次も試合があるのか」がかなり分かりやすくなります。
MLPならではのチーム戦とシリーズ制に注目
MLPプレーオフの最大の面白さは、個人競技に見えるピックルボールを「チームスポーツ」として楽しめるところです。
MLPでは一人の選手だけが勝っても、チーム全体が勝てるとは限りません。
男子ダブルスで勝っても女子ダブルスで負けることがありますし、混合ダブルスでは男女の組み合わせによって試合展開が大きく変わります。
例えば、パワーショットが得意な選手と、ネット前の柔らかいボールを得意とする選手を組ませることで、それぞれの長所を生かすこともできます。
逆に、似たタイプの選手を組ませたことで守備範囲や役割分担がうまくいかない場合もあります。
ペアリング(※ダブルスで誰と誰を組ませるかという組み合わせ)も重要な戦術のひとつなんです。
さらにシリーズ戦では、一度対戦した相手と再び戦います。
第1戦で相手選手の癖を見つけ、「バックハンド側を狙おう」「速い展開よりディンクを増やそう」と第2戦で対策することもできます。
ディンク(※ネット近くに柔らかく落とし、相手に強打させにくくするショット)のような細かいプレーまで含めて、試合ごとに戦術が変化していくのも見どころです。
ただボールを追うだけではなく、「前の試合から何を変えてきたのか」を見ると、MLPプレーオフは一気に面白くなります。
まとめ
MLPプレーオフ・ダラス大会の1回戦では、上位シードが対戦相手を選択する方式と、同じチーム同士が最大3試合を戦うシリーズ制が大きな特徴です。
第1戦で負けても第2戦で戦術を修正できるため、単純な実力だけではなく対応力やチームワークが勝敗を左右します。
男子・女子・混合ダブルスを通じてチーム全体で戦うMLPだからこそ、選手個人の技術だけでなくペアリングや試合ごとの作戦変更も重要です。
初心者の方も、「第1戦と第2戦で何が変わったのか」に注目すると、プロピックルボールの奥深さをより楽しめます。


