2026 APP Columbus Openでは、Jack Munroの2冠や男子ダブルス6大会連続優勝、Domenika TurkovicとTristan Dussaultのシングルス初優勝など、注目の結果が続出しました。
5種目の決勝を中心に、スコアや試合展開まで詳しく振り返ります。
2026 APP Columbus Openで5種目の王者が決定
2026 APP Columbus Openでは、大会最終日のChampionship Sundayに5つのプロカテゴリーの金メダルマッチが行われました。
優勝者は以下の通りです。
- 女子シングルス:Domenika Turkovic
- 男子シングルス:Tristan Dussault
- 男子ダブルス:Richard Livornese Jr./Jack Munro
- 女子ダブルス:Shelby Bates/Christine Maddox
- 混合ダブルス:Jill Braverman/Jack Munro
今回のColumbus Openは、単に人気選手が順当に勝った大会ではありませんでした。
女子シングルスではTurkovic、男子シングルスではDussaultがAPPツアーで初のシングルス金メダルを獲得。
一方、男子ダブルスではLivornese Jr./Munro組が6大会連続優勝という圧倒的な強さを見せています。
さらにMunroは混合ダブルスでも優勝し、大会2冠を達成しました。
「初優勝」と「連覇」が同じ大会で生まれたことで、新しい勢力の台頭と既存のトップペアの強さ、その両方が見えた大会となりました。
※Championship Sunday:大会最終日に各カテゴリーの決勝戦などが行われる日のことです。
※APPツアー:Association of Pickleball Playersが展開する競技ツアーです。
Turkovicが女子シングルスでAPP初優勝
女子プロシングルス決勝では、第1シードのDomenika Turkovicと第3シードのJessica Evanierが対戦しました。
この試合のポイントは、どちらが勝ってもAPPツアー初の金メダルということ。
Evanierにとっては2023年以来となるChampionship Sunday進出で、両選手ともキャリアの節目になる一戦でした。
第1ゲームはEvanierが序盤にリードします。
しかし、クロアチア出身で国際大会でも複数のメダルを獲得しているTurkovicは慌てません。
徐々にスコアを詰めると逆転し、11-8で第1ゲームを先取しました。
続く第2ゲームも簡単な展開にはなりません。
両者が競り合うなか、終盤にTurkovicが抜け出して11-7。
2ゲーム連続で取り切り、APPツアーで自身初となる金メダルを獲得しました。
スコアだけを見るとストレート勝ちですが、11-8、11-7と両ゲームとも接戦です。
特に第1ゲームで序盤のビハインドをひっくり返したことが、その後の流れを作った大きなポイントになりました。
Turkovicは試合後、勝つためには前向きなセルフトークを続けながら、自分の体を動かすことに集中する必要があると振り返っています。
緊張する決勝で「相手を見るより、自分がやるべきことに集中する」。
そんなメンタル面の強さも、初優勝につながった要素といえそうです。
女子シングルスの銅メダルはAmber Policareが獲得。
これでAPPツアー女子シングルスでは2大会連続の銅メダルとなりました。
※シード:過去の成績などをもとに決められるトーナメント上の順位です。
※セルフトーク:試合中に自分自身へ言葉をかけ、気持ちや集中力を整える方法です。
Dussaultが逆転で男子シングルス初タイトル
男子プロシングルス決勝は、第2シードのDusty BoyerとTristan Dussaultによる3ゲームの接戦となりました。
第1ゲームは、両者が簡単には離れないシーソーゲーム。
最後はBoyerが11-9で取り、先に優勝へ王手をかけます。
ここからDussaultが反撃しました。
第2ゲームではスタートから積極的に攻め、序盤で6-1とリード。
第1ゲームとは違い、先に試合の流れをつかむことに成功します。
Boyerも簡単には引き下がらず追い上げましたが、Dussaultが11-7で逃げ切り。
ゲームカウントを1-1に戻しました。
勝負の第3ゲームでも、Dussaultの勢いは止まりません。
序盤から主導権を握り、最後は11-4。第1ゲームを落としたところから2ゲームを連取し、逆転でAPP男子プロシングルス初の金メダルを獲得しました。
特に印象的なのは、第2ゲーム以降のスコアです。11-7、11-4と、ゲームが進むにつれてDussaultの優位が大きくなっています。
Dussaultは試合後、Boyerのショットが非常に強烈だったため、「相手に余裕を与えないこと」を意識したとコメントしています。
守りに入るのではなく、常にプレッシャーをかけ続けたことが逆転優勝につながりました。
男子シングルスの銅メダルはRonan Camronが獲得しています。
Munro/Livornese Jr.組が男子ダブルス6連覇
男子プロダブルスでは、Richard Livornese Jr./Jack Munro組が、Jay Devilliers/Tanner Tomassi組と決勝で対戦しました。
Livornese Jr./Munro組は、Columbus Openの前までに男子プロダブルスで5大会連続優勝中。
今大会では6連覇という大記録が懸かっていました。
第1ゲームでは、王者ペアが落ち着いた試合運びを見せて11-7で先取します。
続く第2ゲームではDevilliers/Tomassi組が序盤でリード。
ここで試合の流れが変わる可能性もありました。
しかしLivornese Jr./Munro組は崩れません。
焦って無理にポイントを取りにいくのではなく、自分たちのペースを取り戻しながら反撃。
最終的には第1ゲームと同じ11-7で第2ゲームも制しました。
これで男子プロダブルス6大会連続優勝です。
さらに、この記録をより印象的にしているのが、大会を通して1ゲームも落とさなかったこと。
決勝だけでなく、男子ダブルスのトーナメント全体をストレートで勝ち抜きました。
Livornese Jr.は試合後、緊張はあったとしながらも、「落ち着いて自分たちのプレーを続けた」と振り返っています。
第2ゲームで先行されても慌てなかったことからも、連覇を続けるペアらしい安定感が見えます。
男子プロダブルスの銅メダルはQuang Duong/Aidan Schenk組が獲得しました。
※ストレート勝ち:相手に1ゲームも奪われずに勝利することです。
Bates/Maddox組が激戦の女子ダブルスを制覇
女子プロダブルス決勝は、今大会でも特に展開の変化が激しい一戦となりました。
第2シードのShelby Bates/Christine Maddox組と、第4シードのGlauka Carvajal-Lane/Domenika Turkovic組が激突します。
第1ゲームから接戦となり、Bates/Maddox組が11-9で先取。
わずか2点差での勝利だったため、そのまま一方的な展開になる雰囲気ではありませんでした。
すると第2ゲームでCarvajal-Lane/Turkovic組が一気に反撃します。
序盤から8-0と大量リード。Bates/Maddox組にほとんど流れを渡さず、そのまま11-2で勝利しました。
第1ゲームを11-9で落としたペアが、次のゲームでは11-2で圧倒するという大きな展開の変化です。
勝負は最終第3ゲームへ。
ここでは再び接戦となり、Bates/Maddox組が7-6とわずか1点リードします。
そこからBates/Maddox組がギアを上げました。
終盤の重要なポイントを連続で奪い、最後は11-7。ゲームカウント2-1で女子プロダブルスの金メダルを獲得しました。
Bates/Maddox組にとっては、直近3大会のうち2大会目となる女子ダブルスタイトルです。
Batesは試合後、相手が戦術を変えるたび、自分たちも「半ゲームごと」にゲームプランを変更する必要があったと語っています。
第2ゲームを2-11で大きく落としながら、第3ゲームで立て直した対応力が、この試合最大の勝因といえそうです。
女子ダブルスの銅メダルはJill Braverman/Emilia Schmidt組が獲得しました。
※ゲームプラン:相手の特徴や試合展開に応じて決める戦い方や作戦のことです。
Munroが混合ダブルスも制して大会2冠
混合プロダブルス決勝では、トップ2シードが直接対決しました。
APPツアーのキャリア通算メダル数でトップに立つMegan FudgeとAidan Schenkのペアが、Jill Braverman/Jack Munro組と対戦します。
Braverman/Munro組は、以前オハイオ州シンシナティで開催されたAPPツアーでも混合ダブルスを制覇しており、今回もオハイオ州で強さを発揮しました。
決勝は第1ゲームからBraverman/Munro組が11-6で勝利。
続く第2ゲームでも同じ11-6で押し切り、ストレートで優勝を決めました。
2ゲームとも同じスコアで勝利した点からも、試合を通して安定して主導権を握ったことが分かります。
Braverman/Munro組にとっては、今シーズン2度目となる混合ダブルス金メダルです。
そしてMunroは、この少し前に行われた男子ダブルスでもLivornese Jr.とのペアで優勝しています。
つまりMunroは、Columbus Openで男子ダブルスと混合ダブルスの2種目を制覇。
しかも男子ダブルスでは6大会連続優勝という記録まで達成し、今大会を象徴する選手の一人となりました。
Bravermanにとっても特別な優勝です。
大会期間中の金曜日が誕生日だったことから、試合後には「最高の誕生日プレゼント」と喜びを表現しました。
Munroも、Bravermanについて、自身がまだ5.0レベルの選手だったころから可能性を信じてくれた存在だったと語っています。
かつてはメンターだった選手と、現在は同じコートでタイトルを獲得するパートナーになったというストーリーも、この優勝を印象的なものにしました。
混合ダブルスの銅メダルはKara Wheatley/Richard Livornese Jr.組が獲得しています。
※混合ダブルス:男女1人ずつでペアを組んで戦うダブルス種目です。
※5.0:ピックルボールで高い競技力を持つ上級者レベルを示す指標の一つです。
※メンター:競技やキャリアについて助言し、成長を支える指導者・先輩のような存在です。
まとめ
2026 APP Columbus Openでは、Jack Munroが男子ダブルスと混合ダブルスを制して2冠を達成し、男子ダブルスでは6大会連続優勝という記録も伸ばしました。
Domenika TurkovicとTristan Dussaultは、それぞれ接戦を勝ち切ってAPPツアーのシングルス初金メダルを獲得しています。
女子ダブルスではBates/Maddox組が第2ゲームを2-11で落としながら、第3ゲームで立て直して優勝するなど、戦術変更やメンタルの強さが結果を左右する場面も多く見られました。
新王者の誕生と王者ペアの連覇が同時に生まれた、見どころの多いColumbus Openとなりました。


