SanofiとUSA Pickleballが、高齢者にCOVID-19の予防情報を届ける「Serve Up Protection」を始めました。
背景には、65歳以上で重症化リスクが高い一方、米国では多くの高齢者が未接種という状況があります。
スポーツを楽しみ続けるための健康管理を、コートの外からも支える取り組みです。
SanofiとUSA Pickleballが健康啓発でタッグ
SanofiとUSA Pickleballが立ち上げた「Serve Up Protection」は、ピックルボールを楽しむ高齢者を中心に、COVID-19のリスクや予防について情報を届けるキャンペーンです。
元資料では、動画などを使った情報発信や、ピックルボールコミュニティを通じた啓発によって、感染症対策について考えるきっかけを作るとしています。
特徴的なのは、製薬会社だけが健康情報を発信するのではなく、日頃から高齢者が集まるスポーツコミュニティと組んでいる点です。
「病気になってから医療情報を見る」のではなく、元気にプレーしている日常の中で健康について考える。そんなアプローチになっています。
USA Pickleball側も、競技人口が幅広い年代に広がるなか、プレーヤーがリスクや予防法を理解し、自分で判断できるような情報提供を重視しています。
なぜ高齢プレーヤーがキャンペーンの中心なの?
今回、高齢者が中心になっている理由は、年齢とCOVID-19の重症化リスクにあります。
年齢を重ねると免疫機能が変化し、感染症に対する体の反応も若い世代とは変わってきます。
さらに、
- 慢性肺疾患
- 心血管疾患
- 糖尿病
- 肥満
などの基礎疾患がある場合、COVID-19が重症化するリスクが高まるとされています。
元資料では、米国の65歳以上の成人の約70%が未接種の状態にあると説明されており、その背景として副反応への不安や、変化する医療情報に対する戸惑いなどを挙げています。
ここで重要なのは、「ピックルボールをしていて元気だから大丈夫」とは限らないことです。
週に何度もコートへ立てるほど活動的でも、年齢や持病による重症化リスクがなくなるわけではありません。
だからこそ、自分の健康状態と感染症リスクを別々に考えるのではなく、セットで確認することが大切になります。
NUVAXOVIDはmRNAとは違うタンパク質ベース
今回のキャンペーンで紹介されているのが「NUVAXOVID」です。
NUVAXOVIDは、COVID-19予防を目的としたタンパク質ベースのワクチンで、元資料では米国食品医薬品局(FDA)が承認した非mRNAタイプのCOVID-19ワクチンとして紹介されています。
※FDA=米国食品医薬品局。アメリカで医薬品やワクチンなどの審査を行う行政機関です。
NUVAXOVIDは「組換え技術」を使って製造されています。
※組換え技術=ワクチンで免疫反応を起こすために必要な特定のタンパク質を作る技術です。
さまざまなワクチン製造で使われてきた方法の一つです。
さらに「アジュバント」と呼ばれる成分を組み合わせています。
※アジュバント=ワクチンに対する免疫反応を高める目的で加えられる成分です。
mRNAワクチンとは仕組みが異なるため、COVID-19ワクチンに複数のタイプがあること自体が、接種を考える人にとって選択肢になります。
ただし、「タンパク質ベースだから誰にでも向いている」という意味ではありません。
年齢、持病、過去のアレルギー歴などによって判断は変わるため、医療専門職へ相談することが基本です。
米国では65歳以上などが接種対象
元資料に記載された米国でのNUVAXOVIDの接種対象は、次の2つです。
- 65歳以上
- 12歳から64歳で、COVID-19が重症化するリスクが高い人
つまり米国では、すべての12〜64歳が一律の対象というわけではなく、重症化リスクの有無が条件になっています。
また、接種したからといって、すべての人がCOVID-19から完全に守られるわけではありません。
元資料でも「接種したすべての人を保護できるとは限らない」と明記されています。
一方で、NUVAXOVIDにはCOVID-19の原因となるSARS-CoV-2そのものは含まれておらず、ワクチン接種によってCOVID-19を発症するものではないと説明されています。
ここは日本の読者が特に注意したいところです。
今回の対象年齢や承認内容は米国の情報です。
日本では承認状況、接種対象、接種方法などが異なる場合があります。
日本でCOVID-19ワクチンを検討する場合は、厚生労働省などの公的情報や医療機関で最新の国内情報を確認する必要があります。
臨床試験の結果と副反応をどう見る?
元資料では、NUVAXOVIDについて2つの主要な第3相臨床試験が行われ、COVID-19に対して高い有効性を示したと説明されています。
※第3相臨床試験=多数の参加者を対象に、医薬品やワクチンの有効性と安全性を確認する大規模な試験です。
副反応については、多くが軽度から中等度で、FDAの評価基準では日常生活を妨げない程度だったとされています。
一方、臨床試験や承認後の使用で報告された症状には、
- 注射した場所の痛み・圧痛
- 腫れ、赤み、かゆみ
- 疲労感
- 筋肉痛
- 頭痛
- 関節痛
- 吐き気、嘔吐
- 発熱
- 悪寒
- リンパ節の腫れ
- じんましんなどのアレルギー反応
などがあります。
また、まれではあるものの重いアレルギー反応や、心筋炎・心膜炎も報告されています。
※心筋炎=心臓の筋肉に炎症が起こる状態です。
※心膜炎=心臓を包んでいる膜に炎症が起こる状態です。
接種後に胸の痛み、息切れ、心拍が速い・激しく脈打つような感覚がある場合は、すぐに医療機関へ相談する必要があります。
大切なのは「副反応があるから危険」「効果があるから絶対に受けるべき」と単純化しないことです。
自分の年齢や持病、感染した場合の重症化リスクと、接種によって起こり得る副反応の両方を確認したうえで判断することが重要です。
ピックルボールを長く楽しむための健康管理
今回の「Serve Up Protection」で一番興味深いのは、ピックルボール団体が競技そのものだけではなく、プレーヤーが長くコートへ立ち続けるための健康にも目を向けていることです。
ピックルボールでは、60代や70代でも日常的にプレーを楽しむ人がいます。
だからこそ、
- ケガを防ぐ
- 持病を管理する
- 感染症のリスクを知る
- 必要な予防策を医療専門職と相談する
といった健康管理も、プレーを続けるためには大切になります。
COVID-19は、多くの人では軽度から中等度の呼吸器症状で回復します。
ただし高齢者や基礎疾患のある人では重症化し、入院が必要になる場合があります。
元資料では、COVID-19による影響が急性期だけでなく、心筋梗塞や脳卒中など心血管系の合併症リスクにも関係する可能性があると説明しています。
「今日プレーできる体を作る」だけではなく、「数年後もコートに立てるように健康を守る」。
ピックルボールを長く楽しむという意味では、こうした予防や健康情報も、ラケットやシューズ選びと同じくらい大切なテーマになってきそうです。
まとめ
SanofiとUSA Pickleballの「Serve Up Protection」は、高齢プレーヤーにCOVID-19の重症化リスクや予防の選択肢について知ってもらう取り組みです。
NUVAXOVIDは米国でタンパク質ベースのCOVID-19ワクチンとして承認されていますが、接種対象や副反応などを理解したうえで、自分に合うかどうかを医師や薬剤師と相談することが重要です。
ピックルボールを長く楽しむには、ショットの技術や体力づくりだけでなく、年齢や持病に合わせた健康管理も欠かせません。
「ずっとコートに立ち続けるために、健康についても知っておく」。
今回のキャンペーンは、そんなスポーツとの付き合い方を考えるきっかけになりそうです。


