2026年のPPAツアー・シカゴカップで、19歳のアナ・リー・ウォーターズが通算200タイトルという歴史的な記録を達成しました。
しかも、その日のうちにさらに2冠を追加。
一方、男子ではベン・ジョンズ組の初戦敗退や、第55シード選手のベスト4進出など波乱が続出しました。
注目の試合結果と、その背景を詳しく振り返ります。
ウォーターズが通算200タイトル達成!歴史的瞬間を振り返る
2026年のシカゴカップで最も大きなニュースとなったのが、アナ・リー・ウォーターズのPPAツアー通算200タイトル達成です。
記録が生まれたのは、大会最終日「チャンピオンシップ・サンデー」の最初の試合、混合ダブルス決勝でした。
ウォーターズはベン・ジョンズとペアを組み、JW・ジョンソン/ジョージャ・ジョンソン組と対戦。
11-4、11-4というスコアでストレート勝ちを収め、記念すべき200個目のタイトルを手にしました。
混合ダブルス決勝の結果
| ペア | 第1ゲーム | 第2ゲーム |
| ウォーターズ/ジョンズ | 11 | 11 |
| JW・ジョンソン/ジョージャ・ジョンソン | 4 | 4 |
どちらのゲームも相手を4点に抑える快勝。
節目の試合でも、ウォーターズは結果を残しました。
試合後には、初めて優勝したときと同じ気持ちで全力を尽くしたこと、今後も努力を重ねて新たな記録を目指したいことを語っています。
注目したいのは、19歳という年齢です。
ウォーターズは若くして数々のタイトルを積み重ね、今回ついに200の大台に到達しました。
長年のパートナーであるベン・ジョンズも、彼女の成長を特別な思いで見守っています。
ジョンズがウォーターズを知ったのは、彼女が11歳だったころ。
まだ子どもだった選手が世界トップレベルの競技者へと成長する姿を、間近で見てきました。
ジョンズ自身もPPAツアーで188個の金メダルを獲得しており、そのうち66個はウォーターズと組んだ混合ダブルスでのものです。
2人の長年にわたる実績が、今回の歴史的な勝利にもつながりました。
45回目のトリプルクラウン!女子ダブルスの逆転劇にも注目
混合ダブルスで200タイトルを達成したウォーターズですが、大会最終日の活躍はそれだけではありませんでした。
続く女子ダブルスと女子シングルスでも優勝し、1日で3つの金メダルを獲得。
通算タイトル数を202まで伸ばしました。
特にドラマチックだったのが、アナ・ブライトと組んだ女子ダブルス決勝です。
対戦相手はタイラ・ブラック/キャサリン・パレントー組。
ウォーターズ/ブライト組は第1ゲームを2-11で落とし、苦しいスタートとなりました。
しかし、第2ゲームでは11-3と立て直し、最終第3ゲームも11-4で勝利。見事な逆転優勝を果たしました。
女子ダブルス決勝の結果
| ペア | 第1 | 第2 | 第3 |
| ウォーターズ/ブライト | 2 | 11 | 11 |
| ブラック/パレントー | 11 | 3 | 4 |
最初のゲームでわずか2点しか取れなかったペアが、その後の2ゲームでは相手を3点、4点に抑えたことになります。
試合途中で結果を大きく変えられる強さが表れました。
そして大会最後の女子シングルス決勝では、ケイト・フェイヒーと対戦。
11-1、11-7で勝利し、3冠を完成させました。
これでウォーターズは通算45回目のトリプルクラウン(※)を達成しました。
※トリプルクラウン:同じ大会のシングルス、同性ダブルス、混合ダブルスの3種目をすべて制すること。
200タイトルという節目を迎えた大会で、さらに2つのタイトルを加えたウォーターズ。
その記録だけでなく、勝ち続ける安定感にも注目したいところです。
ベン・ジョンズ組が初戦敗退!男子ダブルスで起きた大波乱
男子ダブルスでは、優勝候補の一角だったベン・ジョンズ/ジャック・ソック組が、初戦で姿を消すという驚きの結果になりました。
2人がペアを組むのは今回が初めて。
ジョンズはPPAツアーで数々のタイトルを獲得してきたトップ選手で、ソックはプロテニス界で活躍した経歴の持ち主です。
そんな注目ペアを破ったのが、第27シードのアヌアール・ブラハム/ブルーノ・ファレット組でした。
ラウンド32での対戦は、ジョンズ/ソック組が第1ゲームを11-8で先取。
しかし、第2ゲーム以降はブラハム/ファレット組が主導権を握り、11-5、11-3で逆転勝利を収めました。
男子ダブルス・ラウンド32
| ペア | 第1 | 第2 | 第3 |
| ジョンズ/ソック | 11 | 5 | 3 |
| ブラハム/ファレット | 8 | 11 | 11 |
特に第3ゲームは、11-3という大差がつきました。
ブラハム/ファレット組は最終ゲームを通じて優位に立ち、格上のペアを相手に堂々の勝利を収めています。
気になるのは、ジョンズが男子ダブルスで3大会連続優勝を逃していることです。
直近3大会の結果を振り返ってみましょう。
- アリゾナオープン:フェデリコ・スタクスルードと組み、ラウンド16で敗退
- ラスベガスオープン:ゲイブ・タルディオと組み、決勝で敗れて準優勝
- シカゴカップ:ジャック・ソックと組み、ラウンド32で敗退
これまで数多くのタイトルを獲得してきたジョンズですが、パートナーが変わるなかで、なかなか優勝に届かない状況が続いています。
もちろん、3大会の結果だけで実力が落ちたとは判断できません。
ただ、男子ダブルスでは下位シードのペアにも強豪を倒すチャンスがあることを、今回のシカゴカップは示しました。
今後、ジョンズが通常のパートナーであるタルディオとどのような結果を残すのかも注目ポイントです。
スタクスルード組が5度目の優勝!船水雄太の元パートナーも躍進
ジョンズ組が早期敗退した男子ダブルスで、優勝をつかんだのはフェデリコ・スタクスルード/ヘイデン・パトリキン組でした。
決勝で対戦したのは、第14シードのニコ・アセベド/ハウメ・マルティネス・ビッチ組です。
スタクスルード/パトリキン組は第1ゲームを11-1で奪うと、第2ゲームも11-6で勝利。
相手にゲームを与えることなく、ストレートで優勝を決めました。
男子ダブルス決勝の結果
| ペア | 第1 | 第2 |
| スタクスルード/パトリキン | 11 | 11 |
| アセベド/マルティネス・ビッチ | 1 | 6 |
この優勝は、2人にとって2024年から数えてペア通算5度目のタイトルです。
ペアとして結果を積み重ねていることが、今回の快勝にもつながりました。
一方、準優勝のアセベドも、ここ最近の男子ダブルスで存在感を高めている選手です。
アセベドは直近3大会で、いずれも準決勝以上に進出しています。
| 大会 | パートナー | 結果 |
| アリゾナオープン | 船水雄太 | 準優勝 |
| ラスベガスオープン | マルティネス・ビッチ | ベスト4 |
| シカゴカップ | マルティネス・ビッチ | 準優勝 |
日本のファンにとって特に興味深いのが、アリゾナオープンで船水雄太とペアを組んでいたことです。
船水は日本のソフトテニス界で活躍し、ピックルボールでも競技活動を展開している選手です。
アセベドは、その船水とのペアで決勝まで進出。
その後は別のパートナーと組みながら、安定して上位に勝ち残っています。
ピックルボールのダブルスでは、パートナーとの位置取りや役割分担、ショットの選択が重要になります。
異なる選手と組んでも結果を残しているアセベドは、今後の男子ダブルスでも注目したい存在です。
ベラミーが第1シードを撃破!男子シングルスで2度目の頂点
男子シングルス決勝では、ロスコー・ベラミーが大会第1シードのクリス・ハワースを破り、優勝を果たしました。
試合結果は11-4、11-5。
ベラミーがストレート勝ちを収め、PPAツアー通算2度目のタイトルを獲得しています。
今大会でベラミーは第4シードとして出場しました。
一方のハワースは第1シードで、さらにアリゾナオープンでも優勝していた実力者です。
そのため、決勝はトップクラスの選手同士がぶつかる注目のカードとなりました。
男子シングルス決勝の結果
| 選手 | 第1 | 第2 |
| ロスコー・ベラミー | 11 | 11 |
| クリス・ハワース | 4 | 5 |
第1ゲームではベラミーが相手を4点に抑え、第2ゲームでも5点しか与えませんでした。
2ゲームを通じてハワースに許した得点は合計9点。
決勝という大舞台で、ベラミーの強さが際立つ結果となりました。
両者が対戦するのは2024年以来でしたが、今回はベラミーが勝利を収めています。
試合後、ベラミーはハワースについて、ツアーで最も仲の良い友人の一人であり、非常に強い選手だとコメントしました。
そのうえで、そんな相手に勝てたことの大きさを語り、今後も何度も対戦したいという思いを明かしています。
ライバルとして激しく競い合いながら、互いを尊重する関係も印象的です。
なお、ハワースは準決勝でエミリアン・ビュルネルを11-1、11-0で破っていました。
決勝では、そのハワースをベラミーがストレートで下したことになります。
強豪同士の対戦でも大差がつくことがある男子シングルス。
大会ごとに勝者が変わる競争の激しさは、今後も注目したいところです。
第55シードのビュルネルがベスト4!予選から始まった快進撃
今回のシカゴカップで、男子シングルスのダークホース(※)として注目を集めたのが、フランス出身のエミリアン・ビュルネルです。
第55シードとして大会に参加したビュルネルは、予選から勝ち上がり、見事に準決勝まで進出しました。
※ダークホース:大会前の評価は高くなくても、予想を超える活躍を見せる選手のことです。
最初の大きな番狂わせは、ラウンド64で起こりました。
対戦相手は第3シードのハンター・ジョンソン。
ジョンソンは、わずか2日前にラスベガスオープンで優勝したばかりでした。
しかし、ビュルネルはその強豪を撃破。大会序盤から大きな注目を集めることになります。
その後も勢いは止まりませんでした。
| ラウンド | 対戦相手 | 結果 |
| ラウンド64 | ハンター・ジョンソン | 勝利 |
| ラウンド32 | モタ・アルフーニ | 勝利 |
| ラウンド16 | JW・ジョンソン | 逆転勝利 |
| 準々決勝 | キャム・チャフィン | 勝利 |
| 準決勝 | クリス・ハワース | 敗退 |
特にラウンド16では、JW・ジョンソンを相手に第3ゲームで逆転勝利を収めています。
準々決勝でもキャム・チャフィンを破り、ついにベスト4へ進出しました。
準決勝では第1シードのハワースに11-1、11-0で敗れましたが、予選から準決勝まで勝ち上がったことは大きな成果です。
ビュルネルは、米国のテキサス大学リオグランデバレー校でテニスをプレーしていた経歴を持っています。
現在はミズーリ州セントルイスを拠点にトレーニングを続けており、2027年にはピックルボールの大会にフルタイムで参戦する予定です。
今回の結果は、これから本格的にプロツアーへ挑戦していくビュルネルにとって、大きな自信につながるはずです。
男子シングルスでは、すでに実績のある選手だけでなく、予選から勝ち上がる挑戦者にも十分なチャンスがあることを示した大会となりました。
まとめ|歴史的な200冠達成と男子の新勢力に注目
2026年のPPAツアー・シカゴカップは、ウォーターズの通算200タイトル達成と45回目のトリプルクラウンという歴史的な記録が生まれた大会でした。
一方、男子ダブルスではベン・ジョンズ組の初戦敗退、男子シングルスではベラミーの優勝など、トップ選手同士の激しい競争が目立ちました。
さらに、日本の船水雄太とペアを組んだ経験のあるアセベドや、予選からベスト4まで勝ち上がったビュルネルの活躍も見逃せません。
女子のウォーターズがどこまで記録を伸ばすのか、男子では誰が次の主役になるのか。
2026年のPPAツアーは、ますます目が離せない展開になっています。


