2026年10月19日から25日まで開催された「PPAツアー・アジア香港スラム」は、賞金総額110万米ドルを懸けた世界トップ選手たちの戦いで大盛り上がり!
地元選手を巻き込んだ判定騒動、土壇場からの逆転劇、15歳の新星の快進撃、世界トップペアの敗北など、話題満載だった大会を詳しく振り返ります。
香港スラム2026が開幕!賞金110万ドルと世界ランキングを懸けた戦い
2026年10月19日から25日にかけて、香港の啓徳アリーナを舞台に「PPAツアー・アジア香港スラム」が開催されました。
今大会は、2026年のPPAツアー・アジアを締めくくる大会です。
世界トップクラスの選手たちが集まり、男子・女子シングルス、男子・女子ダブルス、混合ダブルスの計5種目で優勝を争いました。
特に注目を集めたのが、その大会規模です。
賞金総額は110万米ドルに達し、アジアで開催されたピックルボール大会として過去最高額を記録しました。
さらに、世界ランキングに関わる最大1,500ポイントが懸かる「PPA Asia 1500」として開催されたことも大きなポイントです。
※PPA Asia 1500:世界ランキングに関わる最大1,500ポイントを獲得できる、PPAツアー・アジアの上位カテゴリーの大会です。
大会期間中は多くの観客が会場を訪れ、選手たちの鋭いショットや接戦に大きな声援を送りました。
特に香港出身の選手が登場する試合では、地元ファンの応援も大きな見どころとなりました。
また、香港スラムは2026年のアジアツアー全10大会の最終戦でもあり、年間を通じて競い合ってきた選手たちが最後のタイトル獲得を目指す舞台となりました。
世界的な人気の高まりに加え、競技としてのレベルアップも感じられる大会となったのです。
スタクスルード対ウォンで大騒動!タイムアウトとペナルティの真相
大会で最も議論を呼んだのが、男子シングルス準々決勝のフェデリコ・スタクスルード対ホン・キット・ウォンの一戦です。
アルゼンチン出身のスタクスルードは、第2シードとして出場した有力選手。
一方のウォンは香港出身で「ジャック」の愛称でも知られ、地元の観客から大きな期待を集めていました。
試合は序盤から激しい展開になります。
第1ゲームはウォンが11対8で先取。
続く第2ゲームではスタクスルードが11対9で取り返し、勝負は最終第3ゲームにもつれ込みました。
そして第3ゲーム終盤、ウォンがリードを奪います。
地元選手が世界の強豪を破る可能性が高まり、会場の期待も膨らむ中、思わぬトラブルが発生しました。
スタクスルードがシューズの不具合を訴え、通常より長いタイムアウトを認められたのです。
報道によると、大量の汗によってシューズのインソールが濡れ、足が滑りやすい状態になっていたとみられます。
※インソール:シューズの内側に入れる中敷きです。足の安定性や履き心地に関わります。
この中断が試合の流れに影響したのではないかという点が、議論の対象になりました。
さらに試合再開後、スタクスルードには不適切な言葉を使用したとして1ポイントのペナルティが科されます。
発言は対戦相手のウォンに向けられたものとみられています。
※ペナルティ:ルール違反や不適切な言動に対して審判が科す罰則です。今回のケースでは1ポイントの罰則が科されました。
用具トラブルによる試合中断と、選手の言動に対するペナルティ。
両者が重なったことで、試合は技術面だけでなく、競技運営やスポーツマンシップについても注目される展開となりました。
ただし、このタイムアウトが規則違反だったと公式に認定されたわけではありません。
問題となったのは、認められた中断の長さや試合への影響をめぐる議論です。
12対10の劇的逆転!スタクスルードの激闘と15歳の新星の挑戦
トラブルの末に迎えた男子シングルス準々決勝の結末は、まさにドラマのような展開でした。
スタクスルードは最終第3ゲームでウォンにリードを許しながらも、最後まで粘り強くプレー。
最終的には12対10でゲームを奪い、逆転勝利を収めました。
試合結果は以下の通りです。
| ゲーム | スタクスルード | ウォン |
| 第1ゲーム | 8 | 11 |
| 第2ゲーム | 11 | 9 |
| 第3ゲーム | 12 | 10 |
最終ゲームが12対10となったのは、勝利には原則として2点差が必要だからです。
※デュース:ここでは、ゲーム終盤で同点となり、勝利に必要な2点差がつくまで競り合う状況を指します。
準決勝へ進んだスタクスルードは、ハンター・ジョンソンと対戦します。
第1ゲームを11対3で奪い、好スタートを切りましたが、第2ゲームは8対11、第3ゲームは5対11で落とし、逆転負けとなりました。
一方、決勝へ進んだジョンソンを待ち受けていたのは、わずか15歳のタマ・シマブクロです。
シマブクロは準決勝でノエ・クリフを11対8、11対2で破り、決勝進出を果たしました。
決勝はジョンソンが第1ゲームを11対4で先取。
しかし、シマブクロも第2ゲームを11対6で奪い返し、勝負は最終ゲームへともつれ込みます。
最後はジョンソンが11対7で勝利し、男子シングルス優勝を決めました。
| ゲーム | ジョンソン | シマブクロ |
| 第1ゲーム | 11 | 4 |
| 第2ゲーム | 6 | 11 |
| 第3ゲーム | 11 | 7 |
ジョンソンは相手の横を抜くパッシングショットや力強いグラウンドストロークを武器に、15歳の挑戦者を退けました。
※パッシングショット:相手がネット付近にいる場面などで、その横を抜くように打つショットです。
※グラウンドストローク:ボールがバウンドした後に打つショットです。
ジョンソンにとっては、前週のオーストラリア・ピックルボールカップに続くタイトル獲得となりました。
優勝こそ逃したものの、15歳で決勝まで勝ち進んだシマブクロの活躍も、大会を象徴する大きな話題になりました。
男子・女子ダブルスで頂上決戦!世界トップペアを破った勝者
男子ダブルス決勝では、大きな番狂わせが起こりました。
第2シードのヘイデン・パトリキン&フェデリコ・スタクスルード組が、第1シードのベン・ジョンズ&ゲイブ・タルディオ組と対戦したのです。
ジョンズ&タルディオ組は、世界トップクラスの実績を誇る強力なペアです。
しかし、決勝ではパトリキン&スタクスルード組が試合の主導権を握りました。
第1ゲームを11対6で奪うと、第2ゲームも11対8で勝利。
ストレートで優勝を決めました。
※ストレート勝ち:相手に1ゲームも取られずに試合に勝つことです。
パトリキンはネット付近での素早い反応を発揮し、スタクスルードはラリーのテンポをコントロール。
相手の守備にできたスペースを突くプレーが勝利につながりました。
実は両ペアは、同年のハノイ大会決勝でも対戦しており、そのときはジョンズ&タルディオ組が勝利していました。
今回の香港スラムでは結果が逆転し、パトリキン&スタクスルード組が雪辱を果たした形です。
一方、女子ダブルス決勝でも注目の対戦が実現しました。
アナ・リー・ウォーターズ&アナ・ブライト組が、タイラ・ハリケーン・ブラック&ジョージャ・ジョンソン組と激突。
ウォーターズ&ブライト組はネット付近で強固な守備と攻撃を見せ、第1ゲームを11対6、第2ゲームを11対4で制しました。
相手の攻撃を簡単には通さないネットプレーが強さのポイントとなり、女子ダブルスのタイトルを獲得しました。
男子では世界トップペアを破る番狂わせ、女子では第1シードの実力を示す勝利。
同じダブルスでも異なる展開となり、ペアの連携や戦術の重要性が際立った決勝戦でした。
ウォーターズが2冠達成!混合ダブルスと女子シングルスの熱戦
香港スラムで大きな存在感を示した選手の一人が、アナ・リー・ウォーターズです。
女子ダブルスでアナ・ブライトと組んで優勝したウォーターズは、混合ダブルスでもベン・ジョンズとペアを結成し、決勝へ進出しました。
その対戦相手は、なんと女子ダブルスで優勝を分かち合ったブライトと、男子ダブルス王者のヘイデン・パトリキンのペアです。
女子ダブルスでは味方だった選手が、今度はネットを挟んでライバルになるという注目のカードになりました。
しかし、試合ではジョンズ&ウォーターズ組が実力を発揮。
第1ゲームを11対4、第2ゲームを11対3で制し、ストレート勝ちで優勝を決めました。
ウォーターズは女子ダブルスと混合ダブルスの2冠を達成。大会を代表する活躍を見せました。
一方、女子シングルスではアンディ・ディコサヴリェヴィッチが強さを発揮しました。
第8シードとして出場したディコサヴリェヴィッチは、準決勝までに第2シードの選手や世界シングルスランキング10位のサーラ・デネヒーを破って決勝へ進出。
決勝ではジュディット・カスティージョと対戦し、11対1、11対5で圧勝しました。
特にベースライン付近からの力強いショットが効果を発揮し、相手を圧倒しました。
※ベースライン:コートの一番後方に引かれた境界線です。
ここから打つショットはラリーを組み立てる重要な役割を持ちます。
ディコサヴリェヴィッチも、前週のオーストラリア大会に続いて優勝を達成しています。
ウォーターズの2冠に加え、ディコサヴリェヴィッチの連続優勝も、女子選手たちの活躍を象徴する結果となりました。
香港スラム2026の全種目結果と大会が残した注目ポイント
香港スラム2026は、5種目すべてで激しい戦いが繰り広げられました。
男子シングルスではハンター・ジョンソンが15歳のタマ・シマブクロを破って優勝。
男子ダブルスでは、パトリキン&スタクスルード組が第1シードを下す番狂わせを演じました。
女子ではアナ・リー・ウォーターズがダブルス2種目を制し、アンディ・ディコサヴリェヴィッチも女子シングルスで圧倒的な強さを見せています。
全種目の決勝スコアをまとめました。
| 種目 | 優勝 | 準優勝 | 決勝スコア |
| 男子シングルス | ハンター・ジョンソン | タマ・シマブクロ | 11-4、6-11、11-7 |
| 女子シングルス | アンディ・ディコサヴリェヴィッチ | ジュディット・カスティージョ | 11-1、11-5 |
| 男子ダブルス | パトリキン/スタクスルード | ジョンズ/タルディオ | 11-6、11-8 |
| 女子ダブルス | ウォーターズ/ブライト | ブラック/ジョンソン | 11-6、11-4 |
| 混合ダブルス | ジョンズ/ウォーターズ | パトリキン/ブライト | 11-4、11-3 |
今回の結果からは、特に次の4つが注目ポイントとして挙げられます。
- 若手選手の台頭:15歳のシマブクロが男子シングルス決勝まで進出し、世界トップ選手と互角に渡り合う場面を見せました。
- 男子ダブルスの勢力争い:パトリキン&スタクスルード組が世界トップペアを破り、優勝争いの激しさを示しました。
- 女子トップ選手の安定感:ウォーターズが2冠を達成し、ディコサヴリェヴィッチも2週連続でシングルス優勝を果たしました。
- 競技運営の課題:スタクスルード対ウォン戦では、用具トラブルによる試合中断や選手の言動が議論の対象となりました。
香港スラムは2026年のPPAツアー・アジア全10大会を締めくくる大会でした。
世界トップ選手の活躍と新しい才能の登場は、2027年以降のアジア大会にも期待を抱かせる内容となりました。
まとめ|劇的な逆転と新世代の活躍!香港スラムが示したピックルボールの未来
PPAツアー・アジア香港スラム2026は、スタクスルード対ウォンの劇的な逆転劇や判定をめぐる騒動など、数々のドラマが生まれた大会となりました。
ハンター・ジョンソンの男子シングルス優勝、アナ・リー・ウォーターズの2冠達成、世界トップペアを破った男子ダブルス決勝も見逃せない結果です。
さらに、15歳のタマ・シマブクロが決勝へ進出したことは、次世代の選手たちが世界の舞台で活躍する可能性を感じさせました。
アジアでも注目度が高まるピックルボールの世界で、これからどんな新しいスターが生まれ、どんな熱戦が繰り広げられるのか、ますます楽しみですね!


